賛否両論の意味とは?読み方や由来・使い方・類義語を解説

賛否両論

一言でいえば、「賛否両論」とは、あることについて賛成の意見と反対の意見の両方があり、優劣がつかず意見がまとまらない状態を意味する四字熟語である。新商品の評判から社会的な話題まで、意見が分かれる場面全般で幅広く使われる。

目次

①「賛否両論」の読み方・意味

「賛否両論」はさんぴりょうろんと読む。「賛否」は賛成と反対のこと、「両論」は異なる二つの意見を指し、合わせて賛成論と反対論の両方が存在し、優劣がつかずに議論が分かれている状態を表す言葉である。単に意見が分かれているというだけでなく、双方の意見にそれぞれ相応の支持や理由がある場合に使われることが多い。

読み方さんぴりょうろん
意味賛成論と反対論の両方があり、意見がまとまらないこと
分類四字熟語

②「賛否両論」の由来・出典

「賛否両論」は、中国の故事や古典を出典とする言葉ではなく、「賛否」と「両論」という二つの熟語を組み合わせて作られた、比較的新しい日本語の四字熟語であるとされる。「賛」は賛成、「否」は反対を表す漢字であり、この二字を対にした「賛否」に、異なる意見を意味する「両論」を続けることで、意見が分かれている状況を端的に表す言葉として定着したと考えられている。

現代では、新商品や新サービスの評価、政策や社会的な話題への意見など、幅広い場面で日常的に用いられる言葉として広く浸透している。

③「賛否両論」の使用例(例文)

  • 日常会話にて:「あの映画の結末については、友人の間でも賛否両論だったよ。」
  • ビジネスメールにて:「新しい在宅勤務制度については、社内でも賛否両論が出ており、引き続き議論を重ねてまいります。」
  • スピーチにて:「今回の改革案には賛否両論あることは承知しておりますが、皆様のご意見を踏まえ、より良い形を模索してまいりたいと存じます。」

④現場で見た「賛否両論」の使いどころ

社内報告書の下書きを添削した際、「新制度については賛否両論であり、失敗だったと言わざるを得ません」という一文があったことがある。読み返すと、実際には反対意見の方がやや優勢だったようで、「賛否両論」という言葉が本来持つ「優劣のつかない拮抗した状態」というニュアンスとはずれていた。賛成・反対のどちらかに比重がある場合は「反対意見が根強い」のように実態に即した表現に直した方が正確に伝わると助言したことがある。便利な言葉ほど、実際の意見の分布とずれていないか確認する癖をつけたいと感じた出来事である。

⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点

ビジネスの場では、新企画や制度変更への社内外の反応を報告する際、あるいは会議で意見が割れている状況を説明する際に使われる。「賛否両論が出ている」「賛否両論を呼んでいる」のように、意見の対立を客観的に伝える表現として重宝される。

注意したいのは、賛成と反対のどちらかに意見が大きく偏っている場合にまで使うと、実態とずれた印象を与えてしまう点である。「賛否両論」は本来、双方の意見が拮抗している状況を表す言葉であるため、意見の分布に応じて他の表現と使い分けたい。

⑥類義語との違い

類義語としては「甲論乙駁(こうろんおつばく)」が挙げられる。互いに自分の意見を主張し合い、議論がまとまらない様子を表す言葉で、意見が対立している点では賛否両論と近い。ただし甲論乙駁は議論そのものが紛糾し決着がつかない過程に重点を置く言葉であるのに対し、賛否両論は賛成・反対という二つの立場が存在するという状態そのものを指す点で異なる。

また「議論百出(ぎろんひゃくしゅつ)」も近い場面で使われる言葉で、様々な意見が次々と出てくる様子を表す。こちらは意見の「数」の多さに焦点を当てた言葉であり、賛成・反対という二項対立を前提とする賛否両論とは、意見の広がり方のニュアンスが異なる。

⑦対義語

「賛否両論」の対義語としては「満場一致(まんじょういっち)」が挙げられる。その場にいる全員の意見が一致し、異なる意見が存在しない状態を表す言葉である。

「賛否両論」が賛成と反対の意見が拮抗し対立している状態を表すのに対し、「満場一致」は意見の対立が一切なく全員が同じ結論に至る状態を表す点で、正反対の状況を描く言葉として対になっている。

⑧一文〇×テスト

Q. 賛成意見が九割、反対意見が一割という状況は、「賛否両論」と表現するのがふさわしい。

正解は「×」!

「賛否両論」は、賛成論と反対論が優劣のつかないほど拮抗している状態を表す言葉である。賛成が九割を占めるような偏った状況では、「賛成意見が大勢を占める」のように実態に即した表現の方がふさわしい。

不正解…正解は「×」

「賛否両論」は、賛成論と反対論が優劣のつかないほど拮抗している状態を表す言葉である。賛成が九割を占めるような偏った状況では、「賛成意見が大勢を占める」のように実態に即した表現の方がふさわしい。

⑨まとめ

「賛否両論」は、賛成論と反対論の両方があり、優劣がつかず意見がまとまらない状態を意味する四字熟語であり、中国の故事ではなく日本で生まれた比較的新しい言葉とされる。新商品の評判から社会的な話題まで幅広く使える便利な言葉である一方、意見の分布が偏っている場合には使い方に注意したい。対義語「満場一致」との対比も踏まえながら、状況を正確に伝える言葉として使いこなしたい一言である。

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この記事を書いた人

ことばに関わる仕事を長く続け、友人や同僚から祝辞・弔辞やスピーチ原稿の相談を受けることもある。ことばの由来や正しい使い方を分かりやすく伝えることをモットーに、四字熟語・ことわざの記事を監修している。

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