一言でいえば、猪突猛進とは、周囲の状況を顧みず、目の前の一つの目標に向かってひたすら勢いよく突き進むことを表す四字熟語で、猪が獲物や敵に向かって直線的に突進する習性に由来するとされる。
①「猪突猛進」の読み方・意味
ちょとつもうしんと読む。「猪突」は猪が突き進むこと、「猛進」は勢い激しく進むことを意味し、両者が組み合わさって、周囲を気にせず一つのことに向かって猛烈な勢いで突き進む様子を表す。度胸や集中力を評価する場面で使われる一方、無謀さや軽率さを指摘する場面でも使われ、文脈によってポジティブにもネガティブにもなり得る言葉である。
| 読み方 | ちょとつもうしん |
| 意味 | 周囲を顧みず、一つの目標に向かって勢いよく突き進むこと |
| 分類 | 四字熟語 |
②「猪突猛進」の由来・出典
猪突猛進は、猪が獲物や障害物を気にせず、目標に向かって一直線に走り抜ける習性を由来とする言葉とされる。中国の古典に由来する言葉ではなく、猪の行動そのものを表現した日本語的な四字熟語であるとされる。古くから猪は勇猛さの象徴として扱われる一方、後先を考えずに突き進む様子から、向こう見ずな行動を指す言葉としても用いられてきたとされる。
③「猪突猛進」の使用例(例文)
- 新入社員のスピーチで、上司が「彼の猪突猛進な行動力には目を見張るものがある」と紹介した。
- 友人との会話で「あの人は猪突猛進なところがあるから、たまには周りの意見も聞いてほしい」と話した。
- ビジネスメールで「猪突猛進にならぬよう、事前のリスク検討を徹底したい」と伝えた。
④現場で見た「猪突猛進」の使いどころ
以前、知人から新規事業の企画書を見てほしいと頼まれたことがある。文中に「猪突猛進の精神で市場調査を徹底し、慎重にリスクを見極めた上で計画を立てた」という一文があったが、猪突猛進は本来、周囲を顧みず勢いだけで突き進む様子を表す言葉であり、慎重な検討を強調する文脈にはそぐわないと伝えた。「入念な準備を重ねた上で」といった表現に置き換えることを提案した。言葉が持つニュアンスと、伝えたい行動の実態が一致しているかを確認する大切さを実感した出来事だった。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
猪突猛進は、行動力や決断の速さを評価する場面で使われることもあれば、周囲への配慮を欠いた性急な行動をたしなめる場面でも使われる。相手を評価する意図で使う際は、文脈によっては無謀さを指摘していると受け取られる可能性もあるため、褒め言葉として使う場合は前後の文脈で意図を明確にしておきたい。
⑥類義語との違い
類義語のひとつに「一意専心」がある。これは、一つのことに心を集中させることを意味する言葉で、目標に向かって突き進む点では猪突猛進と近い。ただし一意専心が集中力や真剣さを表すのに対し、猪突猛進は周囲を顧みない勢いや無謀さのニュアンスを伴う点が異なる。
⑦対義語
猪突猛進の対義語としては「熟慮断行」が挙げられる。これは、物事をよく考えた上で思い切って実行することを意味する言葉である。勢いだけで突き進む猪突猛進に対し、熟慮断行は十分な検討を経てから行動する点で対照的な言葉といえる。
⑧一文〇×テスト
Q. 慎重に市場調査を重ね、リスクを十分に検討した上で新規事業を成功させた後輩の様子を「猪突猛進の精神で成し遂げた」と評するのは、正しい使い方と言える。
正解は「×」!
猪突猛進は、周囲を顧みず勢いだけで突き進む様子を表す言葉である。慎重な市場調査やリスク検討を経て成し遂げた行動を評する言葉としてはふさわしくない。
不正解…正解は「×」
猪突猛進は、周囲を顧みず勢いだけで突き進む様子を表す言葉である。慎重な市場調査やリスク検討を経て成し遂げた行動を評する言葉としてはふさわしくない。
⑨まとめ
猪突猛進は、周囲の状況を顧みず、目の前の一つの目標に向かってひたすら勢いよく突き進むことを表す四字熟語で、猪が突進する習性に由来するとされる。行動力を評価する言葉としても、無謀さを指摘する言葉としても使われるため、文脈に応じて意図を明確にして使いたい。類義語の一意専心や対義語の熟慮断行とのニュアンスの違いも踏まえて使い分けることが望ましい。

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