一言でいえば、「杜撰」とは、物事のやり方がいい加減で誤りが多いことをいう。仕事の手抜きや管理の甘さを批判する際に使われることばである。
①「杜撰」の読み方・意味
「杜撰」はずさんと読む。物事の仕方がいい加減で、誤りや手抜かりが多いことを意味する。もともとは詩文に典拠の確かでない記述が多いことを指した言葉だが、現在では仕事や管理体制のずさんさ全般を批判する際に広く使われている。
| 読み方 | ずさん |
| 意味 | 物事のやり方がいい加減で、誤りや手抜かりが多いこと |
| 分類 | ことわざ |
②「杜撰」の由来
「杜撰」は、中国宋代の書物『野客叢書』に記された逸話に由来するとされる。宋代の詩人・杜黙(ともく)が作る詩は、音律や形式が整っておらず、いい加減で大雑把だとしばしば批判されていたという。「撰」は詩歌や文章を著作し編集するという意味を持つ字であり、杜黙の名の「杜」と組み合わさって「杜撰」という言葉が生まれたとされる。日本へは禅を通じて伝わったとされ、やがて詩文に限らず、物事のいい加減さ全般を指す言葉として使われるようになった。
③「杜撰」の使用例(例文)
- 取引先への報告書の数字が何度も間違っており、杜撰な管理体制が浮き彫りになった。
- 結婚式の招待状を送る段階になって宛先リストの杜撰さに気づき、慌てて確認し直した。
- 会話の中で、あの会社の在庫管理は杜撰すぎると友人が愚痴をこぼしていた。
④現場で見た「杜撰」の使いどころ
以前、知人から取引先へ送るお詫び状の下書きを見てほしいと頼まれたことがある。「今回の杜撰な対応により」という一文で自社の不手際を謝罪しようとしていたのだが、「杜撰」はかなり強い非難のニュアンスを持つ言葉であり、自らの落ち度を表現するにはやや大げさで、かえって開き直っているような印象を与えかねないと伝えた。自分自身の非を詫びる場面では「確認不足」や「管理の甘さ」など、もう少し控えめな言い回しのほうが適切だと助言し、差し替えてもらったことがある。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
「杜撰」は、他社や第三者の管理体制のいい加減さを指摘する場面でよく使われることばである。強い非難のニュアンスを含むため、自分自身や自社の不備を表現する際に使うと、謝罪の言葉としては強すぎたり、投げやりな印象を与えたりすることがある。また、相手を直接非難する場面で使うと角が立ちやすいため、社外向けの文書などでは、より穏やかな表現に言い換えることも検討したい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「いい加減」である。どちらも物事への取り組み方が雑であることを表す点で共通しているが、ニュアンスには違いがある。「いい加減」は日常会話で幅広く使われるやわらかい表現であるのに対し、「杜撰」は文章語としての響きが強く、管理体制や仕組みそのものの欠陥を指摘する際に使われやすい。また「ずぼら」も似た意味を持つが、こちらは個人の性格や習慣のだらしなさを表すことが多く、組織的な仕組みの不備を表す「杜撰」とは対象が異なる。
⑦対義語
「杜撰」の対義語としては「緻密」が挙げられる。「杜撰」が物事の仕方がいい加減で誤りが多いことを表すのに対し、「緻密」は細部まで注意が行き届き、きめ細かく整っている様子を表す言葉であり、正反対の意味を持つ。
⑧一文〇×テスト
Q. 新入社員の彼は書類の細部まで確認を怠らず、上司から「彼の仕事ぶりは実に杜撰だ」と褒められた。
正解は「×」!
「杜撰」は、物事のやり方がいい加減で誤りが多いことを表す言葉であり、褒め言葉としては使えない。細部まで確認を怠らない丁寧な仕事ぶりを評したいのであれば、「緻密」や「几帳面」など正反対の意味を持つ言葉がふさわしい。
不正解…正解は「×」
「杜撰」は、物事のやり方がいい加減で誤りが多いことを表す言葉であり、褒め言葉としては使えない。細部まで確認を怠らない丁寧な仕事ぶりを評したいのであれば、「緻密」や「几帳面」など正反対の意味を持つ言葉がふさわしい。
⑨まとめ
「杜撰」は、物事のやり方がいい加減で誤りが多いことを意味することばであり、宋代の詩人杜黙の詩を評した逸話に由来するとされる。対義語である「緻密」とは正反対の意味を持ち、褒め言葉として使うことはできない。強い非難のニュアンスを含む言葉であるため、誰の、何を評する場面なのかをよく考えて使いたい。

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