一言でいえば、「登竜門」とは、そこを突破すれば立身出世につながる、難しい関門のことをいう。試験やコンクールなど、成功への糸口となる場面で使われることばである。
①「登竜門」の読み方・意味
「登竜門」はとうりゅうもんと読む。そこを突破することで立身出世や成功につながる、難しい関門を意味する。資格試験やコンクール、賞など、突破すれば大きな飛躍が期待できる場面で使われることばである。
| 読み方 | とうりゅうもん |
| 意味 | そこを突破すれば立身出世につながる、難しい関門 |
| 分類 | ことわざ |
②「登竜門」の由来
「登竜門」は、中国の歴史書『後漢書』の李膺伝に由来するとされる。李膺は宦官の横暴を正そうとするなど公明正大な人物として知られ、宮廷でも実力者であった。当時の若い官吏にとって、李膺にその才能を認められることは将来の出世を約束されたに等しく、これを「竜門に登った」と表現したという。竜門とは、黄河の急流にある難所の名で、この急流を登りきった鯉は竜になるという伝説があり、この伝説になぞらえて、困難な関門を突破し大成することを「登竜門」と呼ぶようになったとされる。
③「登竜門」の使用例(例文)
- あのコンクールは若手ピアニストにとって登竜門とされ、入賞者の多くが後に世界で活躍している。
- 結婚式のスピーチで、「この会社は業界の登竜門とも言われる存在です」と新郎の勤務先を紹介した。
- その資格試験は難関だが、業界内では登竜門として知られている。
④現場で見た「登竜門」の使いどころ
以前、知人から後輩の門出を祝うスピーチ原稿を見てほしいと頼まれたことがある。「この会社への入社は登竜門です」と書かれていたのだが、話をよく聞くと、入社自体は比較的容易で、その後の実績次第で評価が決まる会社だという。「登竜門」は突破すること自体が難しい関門を指す言葉であり、入り口が容易な場合に使うと実態と合わなくなってしまうと伝えた。「ここからが本当の登竜門です」というように、入社後の努力を指す表現に直してもらったことがある。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
「登竜門」は、資格試験やコンクール、あるいは特定の企業や役職など、そこを突破すること自体が難しく、突破すれば大きな評価や飛躍につながる対象に使うことばである。誰でも比較的容易に到達できるものに対して使うと、大げさな表現に聞こえてしまう。何が本当の関門にあたるのかを見極めたうえで使いたい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「登竜」や「立身出世の関門」といった表現である。いずれも成功への道筋を突破することを表す点で共通している。ただし「登竜門」は故事に基づく決まった言い回しとして定着しているのに対し、「立身出世の関門」はその意味を説明的に言い換えた表現であり、硬さや定着度に違いがある。また「エリートコース」も出世につながる道筋を表す点では近いが、こちらは特定の難関を突破するというよりも、有利な経歴の積み重ね全体を指すことが多く、単一の関門を指す「登竜門」とはやや意味の範囲が異なる。
⑦対義語
「登竜門」には、明確な対義語は存在しないとされる。あえて対照的なニュアンスを持つ語を挙げるなら「袋小路」がある。「登竜門」が突破すれば大きな飛躍につながる関門を表すのに対し、「袋小路」はその先に進む道がなく、行き詰まってしまう状態を表す言葉であり、先にある展望の有無という点で対照的である。
⑧一文〇×テスト
Q. その脚本賞は新人作家にとって難関として知られ、多くの受賞者がのちに第一線で活躍していることから「登竜門」と呼ばれている。
正解は「〇」!
「登竜門」は、そこを突破すれば立身出世につながる難しい関門を表すことばである。この例文のように、突破が難しく、受賞後の活躍につながる賞を指して使うのは正しい使い方である。
不正解…正解は「〇」
「登竜門」は、そこを突破すれば立身出世につながる難しい関門を表すことばである。この例文のように、突破が難しく、受賞後の活躍につながる賞を指して使うのは正しい使い方である。
⑨まとめ
「登竜門」は、そこを突破すれば立身出世につながる難しい関門を意味することばであり、中国の歴史書『後漢書』の故事と、竜門を登る鯉の伝説に由来するとされる。誰でも容易に到達できるものではなく、突破自体が困難で、突破すれば大きな飛躍につながる対象に対して使いたい言葉である。

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