①「虎の威を借る狐」の読み方・意味
「虎の威を借る狐」はとらのいをかるきつねと読む。自分に実力がないにもかかわらず、他人の権勢に頼って威張ることのたとえである。
| 読み方 | とらのいをかるきつね |
| 意味 | 自分に実力がないのに、他人の権勢に頼って威張ること |
| 分類 | ことわざ(故事成語) |
②「虎の威を借る狐」の由来・出典
中国の書物『戦国策』楚策に由来するとされる。虎に捕らえられた狐が「私は天帝に獣たちの王に任じられた者だ。私を食べれば天帝の命に背くことになる。信じないなら、私の後ろについて歩いて見るがいい」と告げた。虎がそのとおりにすると、道行く獣たちは次々に逃げ出したが、実は獣たちが恐れていたのは後ろにいた虎であり、虎はそれに気づかなかったという故事による。
③「虎の威を借る狐」の使用例(例文)
- SNSに「有名人の名前を出して自分の意見を強く主張する人を見ると、虎の威を借る狐だなと感じてしまう」と投稿した。
- 会議で「その発言は上層部の意向を盾にしているだけで、虎の威を借る狐のような印象を与えかねない」と指摘があった。
- 後輩が上司の名前を出して周囲に指示を出す際、謙遜のつもりで「自分なんて虎の威を借る狐ですから」と口にしていたが、これは自らの浅はかさを卑下する場面で使う言葉ではなく、他人の権勢を笠に着て威張る様子を批判的に指す言葉であるため、使い方には注意したい。
④現場で見た「虎の威を借る狐」の使いどころ
以前、友人から社内向けの提案書を見てほしいと頼まれたことがある。「役員の○○さんも同意見です」という一文を多用し、自分の意見の根拠を上役の名前だけに頼っているように見える箇所があった。「自分の考えの理由をもっと具体的に書かないと、虎の威を借る狐のような印象を与えかねない」と伝えたところ、自分の分析や根拠を補って書き直してくれた。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
「虎の威を借る狐」は、他人の権威や肩書きを利用して威張る人物を批判的に評する場面で使われる言葉である。人を指して使う際は、相手を強く非難する響きを持つため、面と向かって使うと角が立ちやすい。また、自分をへりくだって表現する言葉ではない点にも注意したい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「権威を笠に着る」である。両者とも他人の権威を利用して威張る様子を表す点では共通しているが、「虎の威を借る狐」が故事に基づく比喩表現であるのに対し、「権威を笠に着る」はより直接的で日常的な言い回しである点に違いがある。
⑦対義語
「虎の威を借る狐」の対義語としてよく挙げられるのが「裸一貫」である。「虎の威を借る狐」が他人の権威に頼ることを表すのに対し、「裸一貫」は他人の力や財産に頼らず、自分一人の力だけで物事に取り組む様子を表し、頼る対象の有無という観点で対照的である。
⑧一文〇×テスト
Q. 自分をへりくだって表現するつもりで「私なんて虎の威を借る狐みたいなものです」と謙遜の言葉として使った。この使い方は正しい?
正解は「×」!
「虎の威を借る狐」は、自分に実力がないのに他人の権勢に頼って威張る様子を批判的に指す言葉であり、単なる謙遜の表現ではない。この使い方は誤用にあたる。
不正解…正解は「×」
「虎の威を借る狐」は、自分に実力がないのに他人の権勢に頼って威張る様子を批判的に指す言葉であり、単なる謙遜の表現ではない。この使い方は誤用にあたる。
⑨まとめ
「虎の威を借る狐」は、自分に実力がないのに他人の権勢に頼って威張ることのたとえであり、中国の書物『戦国策』の故事に由来する。他人を批判する際に使われることが多く、単なる謙遜の言葉として自分に使うのは誤用にあたる。人物評として使う際は角が立ちやすい点にも注意したい。

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