「船頭多くして船山に登る」とは、指図する人が多すぎると、かえって物事がまとまらず、見当違いの方向に進んでしまうことということわざである。読み方や由来、正しい使い方から類義語・対義語まで詳しく解説する。
①「船頭多くして船山に登る」の読み方・意味
「船頭多くして船山に登る」はせんどうおおくしてふねやまにのぼると読む。指図する人が多すぎると、かえって物事がまとまらず、見当違いの方向に進んでしまうことという意味である。
| 読み方 | せんどうおおくしてふねやまにのぼる |
| 意味 | 指図する人が多すぎると、かえって物事がまとまらず、見当違いの方向に進んでしまうこと |
| 分類 | ことわざ |
②「船頭多くして船山に登る」の由来・出典
江戸時代前期の俳諧書『毛吹草』に見られる用例が古いとされる。大工が多すぎるとゆがんだ家が建つという中国の故事が元になっているとする説もある。
③「船頭多くして船山に登る」の使用例(例文)
- 会議で「船頭多くして船山に登るという状態にならないよう、意思決定者を一人に絞りましょう」と提案があった。
- クレーム対応の反省で「関係者が多く指示を出しすぎたことで、船頭多くして船山に登るような対応になってしまいました」と振り返った。
- 日記に「委員会で全員が口を出した結果、船頭多くして船山に登るとはこのことだと感じた」と書いた。
④現場で見た「船頭多くして船山に登る」の使いどころ
友人から新規プロジェクトの体制図を見てほしいと頼まれたことがある。責任者が複数人並んでいて意思決定の流れが不明瞭だったので、「船頭多くして船山に登るにならないよう、最終判断をする人を一人明確にしたほうがいい」と助言した。友人は体制図を整理し、責任の所在が明確な形に書き直していた。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
指図する人が多すぎて物事が混乱する状況を戒める場面で使いやすい言葉である。組織体制や会議の進め方を見直す際に便利だが、特定の人を名指しで批判する意味合いにならないよう、状況全体への指摘として使いたい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「船頭多くして船動かず」である。指図する人が多すぎて物事がうまく進まないという点は共通するが、「船頭多くして船動かず」は物事が停滞して進まない状態を表すのに対し、「船頭多くして船山に登る」は見当違いの方向に進んでしまう結果に重点がある点で異なる、とされる。
⑦対義語
「船頭多くして船山に登る」の対義語としてよく挙げられるのが「三人寄れば文殊の知恵」である。凡人でも三人集まって相談すれば良い知恵が出るという意味であり、指図する人が多いことを戒める「船頭多くして船山に登る」とは対照的な言葉である。
⑧一文〇×テスト
Q. クレーム対応の反省会で「関係者が多く指示を出しすぎたことで、船頭多くして船山に登るような対応になってしまいました」と振り返った。使い方として適切か?
正解は「〇」!
指図する人が多すぎて対応が混乱した状況を反省する場面で、本来の意味に沿って適切に使われている。
不正解…正解は「〇」
指図する人が多すぎて対応が混乱した状況を反省する場面で、本来の意味に沿って適切に使われている。
⑨まとめ
「船頭多くして船山に登る」は、指図する人が多すぎるとかえって物事がまとまらないことを表すことわざであり、江戸時代の俳諧書に古い用例が見られるとされる。組織体制を見直す場面で使いやすいが、特定の個人への批判にならないよう配慮したい。

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