「泣いて馬謖を斬る」とは、規律を保つために、たとえ愛する者であっても、違反者を厳しく処分することのたとえということわざである。読み方や由来、正しい使い方から類義語・対義語まで詳しく解説する。
①「泣いて馬謖を斬る」の読み方・意味
「泣いて馬謖を斬る」はないてばしょくをきると読む。規律を保つために、たとえ愛する者であっても、違反者を厳しく処分することのたとえという意味である。
| 読み方 | ないてばしょくをきる |
| 意味 | 規律を保つために、たとえ愛する者であっても、違反者を厳しく処分することのたとえ |
| 分類 | ことわざ |
②「泣いて馬謖を斬る」の由来・出典
中国蜀の諸葛孔明が、街亭の戦いで指揮に背いて大敗した部将の馬謖を、深い信頼と親交があったにもかかわらず、軍の規律を守るために処罰したという『蜀志』の故事に由来するとされる。
③「泣いて馬謖を斬る」の使用例(例文)
- 会議で「今回の件は泣いて馬謖を斬る思いですが、規則である以上は例外を認められません」と説明があった。
- 上司へのメールで「長年貢献してくれた社員ではありますが、泣いて馬謖を斬る覚悟で処分を決定しました」と報告した。
- 日記に「信頼していた後輩に厳しい対応をせざるを得ず、泣いて馬謖を斬るとはこのことかと感じた」と書いた。
④現場で見た「泣いて馬謖を斬る」の使いどころ
上司から社内の処分に関する通知文を見てほしいと頼まれたことがある。事務的な内容だけが並んでいて、対象者への配慮が感じられない文面だったので、「泣いて馬謖を斬るという言葉を添えると、心苦しさを抱えながらも規律を守るために決断したという姿勢が伝わる」と提案した。上司は文面に一文を加え、厳しさと配慮の両方が伝わる通知文に仕上げていた。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
規律を守るために、信頼していた相手であっても厳しい対応をせざるを得ない状況を表す場面で使いやすい言葉である。重い決断を伴う場面で使われる言葉のため、軽々しい失敗の指摘には使わず、本当に重大な場面に限定して使いたい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「大義滅親」である。公のために私情を捨てるという点は共通するが、「大義滅親」は肉親に対しても正義を貫くという意味で使われる四字熟語であるのに対し、「泣いて馬謖を斬る」は組織の規律を保つために重用してきた部下を処分する場面で使われることが多い点で異なる、とされる。
⑦対義語
「泣いて馬謖を斬る」の対義語としてよく挙げられるのが「私情に流される」である。個人的な感情を優先して公正な判断ができなくなることを表し、私情を抑えて規律を貫く「泣いて馬謖を斬る」とは対照的な態度を表す言葉である。
⑧一文〇×テスト
Q. 部下の些細な遅刻を注意する際に、大げさに「泣いて馬謖を斬る思いで言いますが」と前置きした。使い方として適切か?
正解は「×」!
「泣いて馬謖を斬る」は重大な規律違反への厳しい処分を表す言葉であり、些細な遅刻の注意に使うと大げさで的外れな印象を与える。
不正解…正解は「×」
「泣いて馬謖を斬る」は重大な規律違反への厳しい処分を表す言葉であり、些細な遅刻の注意に使うと大げさで的外れな印象を与える。
⑨まとめ
「泣いて馬謖を斬る」は、規律を保つためにたとえ愛する者であっても違反者を厳しく処分することを表すことわざであり、諸葛孔明が馬謖を処罰した故事に由来するとされる。重い決断を伴う場面で使われる言葉のため、軽い失敗の指摘には使わないよう注意したい。

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