①「獅子身中の虫」の読み方・意味
「獅子身中の虫」はしししんちゅうのむしと読む。組織や仲間の内部にいながら、恩恵を受けつつも害を与える者、恩を仇で返す者のたとえのことわざである。
| 読み方 | しししんちゅうのむし |
| 意味 | 組織や仲間の内部にいながら害を与える者、恩を仇で返す者のたとえ |
| 分類 | ことわざ |
②「獅子身中の虫」の由来・出典
獅子の体内に寄生し、その恩恵を受けながら育ちつつも、やがて獅子自身に害を及ぼして死に至らせることもあるという虫にたとえた表現とされる。仏典に由来するとされる説があり、内部の者による害という構図が、組織内部の裏切りや不正を表す言葉として使われるようになったとされる。
③「獅子身中の虫」の使用例(例文)
- 会議で「情報を外部に漏らしていた社員がいたとは、まさに獅子身中の虫だ」と発言した。
- クレーム対応で「社内の不正が発覚したことについて、獅子身中の虫により信頼を損ねる結果となり深くお詫び申し上げます」と謝罪文に記した。
- 日記に「身内から批判が漏れていたと知り、獅子身中の虫とはこういうことかと思った」と書いた。
④現場で見た「獅子身中の虫」の使いどころ
以前、後輩から社内不正に関する報告書の下書きを見てほしいと頼まれたことがある。内部の人物による裏切りという事態の重さが、事実の列挙だけでは伝わりにくかったので、「獅子身中の虫という表現を使うと、内部から害を及ぼされたことの深刻さが端的に伝わる」と助言した。言葉を加えたことで、報告書の趣旨がより明確になった。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
「獅子身中の虫」は、組織の内部にいる者が不正や裏切りによって害を及ぼす深刻な事態を表す場面で使う言葉である。特定の人物を強く非難する響きを持つため、事実関係が確定していない段階や、憶測の域を出ない状況で安易に使うのは避けたい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「飼い犬に手を噛まれる」である。両者とも身内や信頼していた者から害を受けるという点では共通しているが、「獅子身中の虫」は組織や集団の内部に潜む害そのものに焦点を当てた表現であるのに対し、「飼い犬に手を噛まれる」は世話をしてきた相手から裏切られるという個人的な関係性に重点がある点で違いがある。
⑦対義語
「獅子身中の虫」の対義語としてよく挙げられるのが「忠臣は二君に仕えず」である。「獅子身中の虫」が組織の内部から害を及ぼす者を表すのに対し、「忠臣は二君に仕えず」は一人の主君に対して忠実を尽くす者の在り方を表し、内部の者の忠誠心という観点で対照的な言葉である。
⑧一文〇×テスト
Q. 取引先の担当者が自社に対して外部から嫌がらせをしてきたことについて「獅子身中の虫のような行為だ」と表現した。この使い方は正しい?
正解は「×」! 「獅子身中の虫」は組織や仲間の内部にいる者が恩恵を受けながら害を与えることを表す言葉であり、外部の人物による行為に対して使うのは本来の意味からずれた使い方である。
不正解…正解は「×」 「獅子身中の虫」は組織や仲間の内部にいる者が恩恵を受けながら害を与えることを表す言葉であり、外部の人物による行為に対して使うのは本来の意味からずれた使い方である。
⑨まとめ
「獅子身中の虫」は、組織や仲間の内部にいながら恩恵を受けつつ害を与える者のたとえのことわざである。内部の裏切りや不正という深刻な事態を表す言葉であるため、事実関係を見極めたうえで慎重に使いたい表現である。

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