一言でいえば、切磋琢磨は仲間同士で互いに励まし合い、競い合いながら学問や技芸、人格などを磨き上げていくこと。骨や象牙、玉などを切り、磋き、打ち、磨くという加工の工程になぞらえて、努力を重ねて自分を高めていく様子を表す言葉である。
①「切磋琢磨」の読み方・意味
「切磋琢磨」の読み方はせっさたくま。仲間同士で互いに励まし合い、競い合いながら学問や技芸、人格などを磨き上げていくこと。骨や象牙、玉などを切り、磋き、打ち、磨くという加工の工程になぞらえて、努力を重ねて自分を高めていく様子を表す言葉である。
| 読み方 | せっさたくま |
| 意味 | 仲間同士で互いに励まし合い、競い合いながら学問や技芸、人格などを磨き上げていくこと。骨や象牙、玉などを切り、磋き、打ち、磨くという加工の工程になぞらえて、努力を重ねて自分を高めていく様子を表す言葉である。 |
| 分類 | 四字熟語(努力・研鑽) |
②「切磋琢磨」の由来・出典
出典は中国最古の詩集とされる『詩経』の衛風・淇奥篇である。もともとは衛の武公という人物の徳の高さや自己研鑽ぶりをたたえた詩の一節に由来するとされる。「切」は骨を切って加工すること、「磋」は象牙をやすりでみがくこと、「琢」は玉を打って形づくること、「磨」は砂石でみがき上げることをそれぞれ意味しており、素材を丹念に加工していく工程を重ねることで、人が学問や人格をこつこつと磨き上げていく様子にたとえたとされる。
③「切磋琢磨」の使用例(例文)
- 【スピーチ】同期の皆さんとは、これからも切磋琢磨し合いながら、共に成長していきたいと思います。
- 【日常会話】あのふたり、いつも成績を競い合ってるけど、お互い切磋琢磨できる良い関係だよね。
- 【ビジネスメール】貴社とは競合関係にありますが、業界全体の発展のために今後も切磋琢磨してまいりたく存じます。
④現場で見た「切磋琢磨」の使いどころ
以前、新入社員代表として読む決意表明の原稿を見せてもらったことがある。「同期一丸となって切磋琢磨し、一人でも欠けることなく努力していきたい」という一文があったのだが、文脈全体としては個人がそれぞれ黙々と努力する決意を述べる内容になっており、切磋琢磨という言葉が持つ「互いに競い合い高め合う」というニュアンスとはやや噛み合っていなかった。同期同士で高め合う場面をもう少し具体的に描写する一文を加えるよう提案したところ、言葉と内容がかみ合い、原稿全体の説得力が増したという感想をもらった。切磋琢磨は本来、相手があってこそ成り立つ言葉であることを、この一件で改めて意識するようになった。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
ビジネスの場では、同僚やライバル企業との間で高め合う関係を表す言葉として、スピーチやあいさつでよく使われる。「切磋琢磨してまいります」のように前向きな決意を示す表現として重宝される一方で、注意したいのは、本来この言葉が仲間や競争相手との関わり合いを前提とした語であるという点である。一人だけで黙々と努力を続けるだけの場面で使うと、本来のニュアンスとはずれてしまうため、そうした場合は「刻苦勉励」や「自己研鑽」といった言葉を使う方が適切である。
⑥類義語との違い
切磋琢磨と近い意味を持つ言葉に「刻苦勉励(こっくべんれい)」がある。刻苦勉励は、苦労を重ねながら学業や仕事に励むことを表す言葉で、努力を重ねるという点では共通している。ただし切磋琢磨が仲間や競争相手との関わり合いの中で互いに高め合う様子に重きを置くのに対し、刻苦勉励は一人でひたすら努力を積み重ねる側面が強い点で異なる。
⑦対義語
切磋琢磨に明確な対義語と呼べる四字熟語は少ないが、対照的なニュアンスを持つ語として「酔生夢死」が挙げられる。酔生夢死は、これといった目的や努力もなく、酒に酔い夢を見るように漫然と一生を過ごすことを表す言葉で、仲間と高め合いながら努力を重ねる切磋琢磨とは対照的な人生の姿を示している。
⑧一文〇×テスト
Q. 誰にも相談せず、一人だけで黙々と資格の勉強を続けたことを「切磋琢磨した」と表現するのは、正しい使い方である。
正解は「×」!
切磋琢磨は本来、仲間や競争相手と互いに励まし合い競い合いながら学問や技芸を磨き上げることを表す言葉であり、相手の存在を前提としたニュアンスを持つ。一人だけで黙々と努力する場面には本来当てはまらず、そうした場合は「刻苦勉励」や「自己研鑽」を使う方が適切である。
不正解…正解は「×」
切磋琢磨は本来、仲間や競争相手と互いに励まし合い競い合いながら学問や技芸を磨き上げることを表す言葉であり、相手の存在を前提としたニュアンスを持つ。一人だけで黙々と努力する場面には本来当てはまらず、そうした場合は「刻苦勉励」や「自己研鑽」を使う方が適切である。
⑨まとめ
切磋琢磨は、仲間同士で互いに励まし合い、競い合いながら学問や技芸、人格などを磨き上げていくことである。由来には諸説があるが、大切なのはその意味を理解したうえで場面に応じて正しく使うことである。今回紹介した例文や注意点を参考に、日常やビジネスの場でも自信を持って使ってほしい。

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