捲土重来の意味とは?由来となる項羽の故事と正しい使い方を解説

捲土重来

一言でいえば、捲土重来とは、一度敗れた者が勢いを盛り返し、再び勢力を挽回して巻き返しを図るということを表す四字熟語で、唐の詩人杜牧の詩に由来するとされる。

目次

①「捲土重来」の読み方・意味

けんどちょうらい(けんどじゅうらいとも読む)と読む。捲土重来とは、土ぼこりを巻き上げるほどの勢いで、再びやってくるという意味から、一度の失敗にめげず、勢力を盛り返して巻き返しを図ることを表す四字熟語である。

読み方 けんどちょうらい
意味 一度敗れた者が勢いを盛り返し、再び巻き返しを図ること
分類 四字熟語

②「捲土重来」の由来・出典

捲土重来は、唐の詩人杜牧が詠んだ「題烏江亭」という詩に由来するとされる。秦を滅ぼした後、楚の項羽は漢の劉邦と天下を争ったが、垓下の戦いに敗れ、烏江のほとりで自刎して果てたとされる。杜牧はこの項羽の死を惜しみ、江東の地には優れた人物が多く、土煙を巻き上げるほどの勢いで再び攻め上っていたら、勝敗の行方はわからなかっただろうという意味の詩を詠んだとされる。

③「捲土重来」の使用例(例文)

  • 再挑戦のプレゼンの冒頭で、「捲土重来を期して、本日は新たな提案をさせていただきます」と切り出した。
  • 今回のプロジェクトは失敗したが、捲土重来を期して次こそは成功させたい。
  • あのチームは去年の大会で敗退したが、捲土重来を誓って猛練習を重ねているそうだ。

④現場で見た「捲土重来」の使いどころ

以前、知人の起業家が投資家向けのプレゼン資料をチェックしてほしいと持ち込んできたことがある。過去の事業撤退について触れた箇所に「捲土重来を期して、同じ轍を踏まないよう慎重に進める所存です」とあったが、捲土重来はあくまで勢いを盛り返して再挑戦するという前向きな決意を表す言葉であり、慎重さを強調する文脈とはやや噛み合わないと感じ、「捲土重来を期し、次こそは必ず成功させる」という形で決意そのものを前面に出す表現に整えることを提案した。四字熟語はその言葉が持つ勢いやニュアンスまで踏まえて使うことが大切だと感じた出来事だった。

⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点

捲土重来は、事業の失敗や敗北からの再起を語る場面で、これから巻き返しを図るという前向きな決意を表す際に使われることが多い。単なる慎重さや反省を伝えたい場合には、捲土重来だけでは意図が伝わりにくいことがあるため、再起にかける意欲や勢いを併せて伝えることが望ましい。

⑥類義語との違い

類義語のひとつに「臥薪嘗胆」がある。これは目的を達成するために苦労や苦難に耐え忍ぶことを表す言葉で、再起を期す点では捲土重来と近い。ただし臥薪嘗胆が耐え忍ぶ過程そのものに重点を置くのに対し、捲土重来は勢いを盛り返して巻き返しを図る場面そのものを指す点が異なる。

⑦対義語

捲土重来の対義語としては「意気消沈」が挙げられる。これは元気をなくし、すっかり気落ちしてしまうことを表す言葉である。勢いを盛り返して再起を図る捲土重来に対し、意気消沈は敗北や失敗によって気力を失ってしまう様子を表す点で対照的な言葉といえる。

⑧一文〇×テスト

Q. 一度の商談の失敗にすっかり気落ちし、二度と商談の場に立とうとしなくなった同僚の様子を「捲土重来だ」と評するのは、正しい使い方と言える。



正解は「×」!

捲土重来は、勢いを盛り返して再び挑戦するという前向きな意味の言葉である。気落ちして再挑戦しようとしない様子を表すのは、捲土重来とは正反対の状態であり、この使い方は誤りである。

不正解…正解は「×」

捲土重来は、勢いを盛り返して再び挑戦するという前向きな意味の言葉である。気落ちして再挑戦しようとしない様子を表すのは、捲土重来とは正反対の状態であり、この使い方は誤りである。

⑨まとめ

捲土重来は、一度敗れた者が勢いを盛り返し、再び巻き返しを図るということを表す四字熟語であり、唐の詩人杜牧の詩に由来するとされる。単なる反省や慎重さを伝えたい場面では意図が伝わりにくいため、再起にかける前向きな勢いを込めて使いたい言葉である。類義語の臥薪嘗胆や対義語の意気消沈とのニュアンスの違いを踏まえ、場面に応じて適切に使い分けたい表現である。

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この記事を書いた人

ことばに関わる仕事を長く続け、友人や同僚から祝辞・弔辞やスピーチ原稿の相談を受けることもある。ことばの由来や正しい使い方を分かりやすく伝えることをモットーに、四字熟語・ことわざの記事を監修している。

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