一言でいえば、「花より団子」とは、見た目の美しさや風流よりも、実質的な利益や実利を重視することをいう。風流を解さないことを表す場合にも使われることわざである。
①「花より団子」の読み方・意味
「花より団子」ははなよりだんごと読む。花見に行っても花を眺めて楽しむよりも団子を食べることを優先するように、見た目の美しさや風流を楽しむことよりも、実質的な利益や満足を重視することのたとえである。
| 読み方 | はなよりだんご |
| 意味 | 見た目の美しさよりも実質的な利益や実利を重視すること |
| 分類 | ことわざ |
②「花より団子」の由来
「花より団子」は、日本の花見の風習の変遷に由来するとされる。奈良時代の花見は梅を、平安時代以降は桜を鑑賞しながら和歌を詠むという、貴族の風流な遊びであった。しかし江戸時代に入り花見の文化が庶民にも広まると、次第に花を鑑賞する風流さよりも、花見団子をはじめとする飲食そのものが目当てになっていったという。この移り変わりをたとえて、風流よりも実利を選ぶことを「花より団子」と呼ぶようになったとされる。「江戸いろはかるた」の一句としても知られている。
③「花より団子」の使用例(例文)
- 結婚式のスピーチで、「新婦は昔から花より団子で、記念日にはケーキよりごちそうを選ぶ人でした」と紹介した。
- 景色のよい旅館より、料理がおいしい旅館を選ぶあたり、うちの家族は完全に花より団子だ。
- プレゼントは見た目よりも実用性を重視したい、という花より団子な相手には、消耗品が喜ばれることが多い。
④現場で見た「花より団子」の使いどころ
以前、知人から結婚式のスピーチ原稿を見てほしいと頼まれたことがある。おしゃれで見た目にこだわる新婦を紹介する場面で「花より団子な人柄で」と書かれていたのだが、この言葉は本来、見た目より実利を選ぶ人を表す言葉であり、おしゃれにこだわる人に使うと意味が正反対になってしまうと伝えた。人物の紹介で使う際は、実際にその人がどちらのタイプかをよく確認したほうがよいと助言し、別の言い回しに直してもらったことがある。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
「花より団子」は、見た目やブランドよりも実質的な機能や価格を重視する消費者の傾向を説明する場面などで使われることばである。一方で、相手の人柄を評する際に使うと、状況によっては「風流を解さない人」と受け取られ、失礼にあたることもある。誰かを評する場面で使う際は、相手との関係性や、その表現が失礼にあたらないかをよく考えたい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「衣食足りて礼節を知る」である。どちらも実利や実質を重んじる考え方を示す点では近いが、ニュアンスは異なる。「衣食足りて礼節を知る」は生活の基盤が整ってはじめて礼儀を重んじる余裕が生まれるという、生活水準と精神性の関係を示す言葉であるのに対し、「花より団子」は美と実利のどちらを選ぶかという、その場での好みの傾向を表す言葉である。また「実利主義」も似た考え方だが、こちらは価値観そのものを指す硬い言葉であり、軽妙な言い回しである「花より団子」とは文体の印象が異なる。
⑦対義語
「花より団子」の対義語としては「風流」が挙げられる。「花より団子」が実利を優先することを表すのに対し、「風流」は見た目の美しさや趣を大切にし、味わい楽しむ姿勢を表す言葉であり、何を優先するかという点で正反対である。
⑧一文〇×テスト
Q. 彼女は見た目のおしゃれや部屋のインテリアにとことんこだわる性格で、周囲から「まさに花より団子だね」と評されている。
正解は「×」!
「花より団子」は、見た目の美しさよりも実質的な利益を重視することを表すことばである。この例文の彼女は見た目やおしゃれにこだわる性格であり、実利より美を重視するタイプであるため、「花より団子」と評するのは意味が正反対で誤りである。
不正解…正解は「×」
「花より団子」は、見た目の美しさよりも実質的な利益を重視することを表すことばである。この例文の彼女は見た目やおしゃれにこだわる性格であり、実利より美を重視するタイプであるため、「花より団子」と評するのは意味が正反対で誤りである。
⑨まとめ
「花より団子」は、見た目の美しさよりも実質的な利益や実利を重視することを意味することわざであり、日本の花見の風習の移り変わりに由来するとされる。対義語である「風流」とは、何を優先するかという点で正反対の意味を持つ。人物を評する場面で使う際は、失礼にあたらないか、相手の実際の傾向をよく確認して使いたい。

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