①「人を呪わば穴二つ」の読み方・意味
「人を呪わば穴二つ」はひとをのろわばあなふたつと読む。他人に害を与えようとすれば、結局は自分にも同じ報いが返ってくるという戒めの言葉である。
| 読み方 | ひとをのろわばあなふたつ |
| 意味 | 他人に害を与えようとすれば、自分にも同じ報いが返ってくるという戒め |
| 分類 | ことわざ |
②「人を呪わば穴二つ」の由来・出典
平安時代の陰陽師にまつわる話が由来とされる。陰陽師は権力者の依頼を受けて敵対する相手を呪術で呪うこともあったが、その際は自分に呪いが返ってくることも覚悟しなければならなかったとされ、呪う相手と自分自身のための墓穴を二つ用意したことから「人を呪わば穴二つ」という言葉が生まれたとされる。ただし、この陰陽師由来の説を裏づける文献は見つかっておらず、確認できる最も古い使用例は江戸時代の俳諧集とされる。
③「人を呪わば穴二つ」の使用例(例文)
- SNSで誰かを激しく非難する投稿を見て、「人を呪わば穴二つという言葉もあるし、そこまで攻撃的にならなくても」と友人に伝えた。
- 同僚が陰で人の悪口ばかり言っているのを見て、「人を呪わば穴二つだから、あまり悪く言いすぎないほうがいい」と日記に書き留めた。
- 後輩が「ライバルの失敗を願うくらいなら自分の努力に集中したほうがいい。人を呪わば穴二つという言葉もある」と話していたが、これは他人に実際に害意を向ける場面で使う戒めの言葉であり、単なる願望や嫉妬を軽く戒める場面で多用すると、言葉の重みが伝わりにくくなる点には注意したい。
④現場で見た「人を呪わば穴二つ」の使いどころ
以前、友人からSNSに投稿する文章を見てほしいと頼まれたことがある。ある人物への不満をかなり強い言葉で書き連ねていたので、「人を呪わば穴二つという言葉もあるし、感情的な言葉は自分にも返ってくることがある」と伝えた。結局、その投稿は取りやめ、事実関係だけを冷静に整理した文章に書き直すことになった。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
「人を呪わば穴二つ」は、他人を強く憎んだり陥れようとしたりする姿勢を戒める際に使われる、重みのある言葉である。軽い嫉妬や不満をたしなめる程度の場面で多用すると、言葉の持つ重さと状況が釣り合わなくなることがある。本当に他人への悪意が問題になっている場面で、慎重に使いたい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「天に唾する」である。両者とも他人への悪意が自分に返ってくることを表す点では共通しているが、「人を呪わば穴二つ」が相手への直接的な害意を対象とするのに対し、「天に唾する」は他人や物事を軽んじる行為全般が自分の評判を落とすことを指す、より広い意味で使われる言葉である。
⑦対義語
「人を呪わば穴二つ」の対義語としてよく挙げられるのが「情けは人の為ならず」である。「人を呪わば穴二つ」が他人への悪意がめぐりめぐって自分に返ってくることを戒めるのに対し、「情けは人の為ならず」は他人にかけた情けがめぐりめぐって自分にも良い形で返ってくることを表し、めぐる報いの方向という観点で対照的な言葉である。
⑧一文〇×テスト
Q. 友人が些細なことで軽く拗ねているだけの場面で「人を呪わば穴二つって言うよ」と重々しく忠告した。この使い方は正しい?
正解は「×」!
「人を呪わば穴二つ」は、他人に実際に害意を向けることを戒める重みのある言葉であり、些細な拗ねごとをたしなめる場面で使うには言葉の重さが釣り合わない。この使い方は不適切である。
不正解…正解は「×」
「人を呪わば穴二つ」は、他人に実際に害意を向けることを戒める重みのある言葉であり、些細な拗ねごとをたしなめる場面で使うには言葉の重さが釣り合わない。この使い方は不適切である。
⑨まとめ
「人を呪わば穴二つ」は、他人に害を与えようとすれば自分にも同じ報いが返ってくるという戒めのことわざであり、陰陽師にまつわる話が由来の一つとされる。他人への強い悪意を戒める重みのある言葉であるため、軽い場面で多用せず、本当に必要な場面で使いたい言葉である。

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