一言でいえば、「一富士二鷹三茄子」とは、初夢に見ると縁起が良いとされるものを、良い順に並べたことばである。正月の初夢にまつわる言い伝えとして知られる。
①「一富士二鷹三茄子」の読み方・意味
「一富士二鷹三茄子」はいちふじにたかさんなすと読む。正月に見る初夢の中で、縁起が良いとされるものを良い順に並べた言い伝えである。富士山が最も縁起が良く、次に鷹、三番目に茄子を見ると、その年は良いことがあるとされる。
| 読み方 | いちふじにたかさんなす |
| 意味 | 初夢に見ると縁起が良いとされるものを、良い順に並べたことば |
| 分類 | ことわざ |
②「一富士二鷹三茄子」の由来
「一富士二鷹三茄子」の由来には諸説あるとされるが、江戸時代の駿河国(現在の静岡県中央部)の名物を順に挙げたとする説が有力とされる。晩年の徳川家康が過ごした駿府城からは富士山を望むことができ、裾野では上質な鷹が育ち、地元では茄子の栽培も盛んであったという。この地域を象徴する三つの名物が、縁起の良いものとして初夢の言い伝えに結びついたとされる。なお、この言葉には続きがあり、「四扇、五煙草、六座頭」と続くことも知られている。
③「一富士二鷹三茄子」の使用例(例文)
- 元旦に見た初夢に富士山が出てきたので、一富士二鷹三茄子の言い伝え通り、今年は良い一年になりそうだと喜んだ。
- 新年会の挨拶で、「一富士二鷹三茄子にちなんで、今年は縁起の良いスタートを切りましょう」と乾杯の発声をした。
- 初夢で茄子を見たと話す友人に、一富士二鷹三茄子の三番目だから今年は運が良いはずだと伝えた。
④現場で見た「一富士二鷹三茄子」の使いどころ
以前、知人から新年の挨拶状の下書きを見てほしいと頼まれたことがある。「一富士二鷹三茄子のように、素晴らしい一年をお迎えのことと存じます」と書かれていたのだが、この言葉は本来、初夢に見ると縁起が良いとされるものを並べた言い伝えであり、相手がすでに迎えた一年の様子を形容する言葉としてはやや意味がずれてしまうと伝えた。「今年一年が一富士二鷹三茄子のような、縁起の良い年になりますように」というように、これから先の願いを表す言い回しに直してもらったことがある。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
「一富士二鷹三茄子」は、年始の挨拶や新年会の乾杯の言葉など、新しい一年の幸運を願う場面でよく使われることばである。本来は初夢に見るものの順序を表す言葉であるため、季節外れの場面や、初夢とは無関係な文脈で使うと唐突な印象を与えることがある。正月や年始の挨拶といった、時季に合った場面で使いたい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「吉夢」である。どちらも縁起の良い夢を表す点で共通しているが、範囲の広さが異なる。「吉夢」は縁起の良い夢全般を指す一般的な言葉であるのに対し、「一富士二鷹三茄子」は初夢に見ると良いとされる対象を具体的に順序立てて示した、より限定的で語呂の良い言い伝えである。また「初夢」自体も関連の深い言葉だが、こちらは単に正月に見る夢そのものを指す言葉であり、その夢の吉凶を評価する「一富士二鷹三茄子」とは指す対象が異なる。
⑦対義語
「一富士二鷹三茄子」には、明確な対義語は存在しないとされる。あえて対照的なニュアンスを持つ語を挙げるなら「逆夢」がある。「一富士二鷹三茄子」が縁起の良い夢を表すのに対し、「逆夢」は見た夢の内容とは反対のことが現実に起こるとされる夢を指す言葉であり、夢と現実の関係の捉え方が対照的である。
⑧一文〇×テスト
Q. 元旦の朝、家族に「今年最初に見た夢に富士山が出てきたよ」と話したところ、「一富士二鷹三茄子で縁起がいいね」と喜ばれた。
正解は「〇」!
「一富士二鷹三茄子」は、初夢に見ると縁起が良いとされるものを順に並べたことばである。この例文のように、正月の初夢に富士山を見たことを喜ぶ場面で使うのは、本来の意味に沿った正しい使い方である。
不正解…正解は「〇」
「一富士二鷹三茄子」は、初夢に見ると縁起が良いとされるものを順に並べたことばである。この例文のように、正月の初夢に富士山を見たことを喜ぶ場面で使うのは、本来の意味に沿った正しい使い方である。
⑨まとめ
「一富士二鷹三茄子」は、初夢に見ると縁起が良いとされるものを良い順に並べたことばであり、江戸時代の駿河国の名物に由来する説が有力とされる。「四扇、五煙草、六座頭」と続きがあることでも知られる。初夢や正月の挨拶など、時季に合った場面で使いたい言葉である。

コメント