①「犬も歩けば棒に当たる」の読み方・意味
「犬も歩けば棒に当たる」はいぬもあるけばぼうにあたると読む。この言葉には二つの意味がある。一つは、何かをしようとする者は思わぬ災難に遭うことも多いという戒め。もう一つは、積極的に行動していれば思いがけない幸運に出会うこともあるという意味である。現代では後者の意味で使われることが多い。
| 読み方 | いぬもあるけばぼうにあたる |
| 意味 | 行動すれば思わぬ災難にも幸運にも出会うことがあるということ |
| 分類 | ことわざ |
②「犬も歩けば棒に当たる」の由来・出典
この言葉は、江戸時代に広く親しまれた「いろはかるた」の最初の札の一つとして知られる。ふらふらと歩き回る犬が人に棒で叩かれるという情景から生まれたとされ、当初は「でしゃばると災難に遭う」という戒めの意味で使われていたとされる。文献上は、災難の意味の用例が1758年の浄瑠璃に、幸運の意味の用例が1705年の雑俳に見られるとされ、時代とともに両方の意味が併存してきた言葉である。
③「犬も歩けば棒に当たる」の使用例(例文)
- 友人とのLINEで「とりあえず気になった講座に申し込んでみたら、思わぬ人脈ができた。犬も歩けば棒に当たるだね」とやり取りした。
- 会議で「新規開拓のために闇雲に飛び込み営業をかけるのは、犬も歩けば棒に当たるで、思わぬクレームを招く危険もある」と慎重な意見が出た。
- 後輩が「何もしないよりは、犬も歩けば棒に当たるで、行動すればいずれ痛い目にあうから今は静観すべきだ」と話していたが、これは本来「行動すれば良いことも悪いこともある」という両義的な言葉であり、悪い意味だけを断定的に伝える使い方には注意が必要である。
④現場で見た「犬も歩けば棒に当たる」の使いどころ
以前、後輩から異動願いの相談文を見てほしいと頼まれたことがある。「犬も歩けば棒に当たると言いますし、勇気を出して手を挙げてみます」という一文があったのだが、この言葉は本来、幸運と災難の両方の意味を持つ言葉であり、文脈によっては「行動すると痛い目に遭う」という戒めの意味に読まれかねないと伝えた。前向きな決意を伝えたいのであれば、「思い切って行動すれば道が開けるかもしれない」といった言葉に言い換えたほうが誤解がないと助言した。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
「犬も歩けば棒に当たる」は、行動を促す前向きな文脈でも、リスクを戒める慎重な文脈でも使われる言葉である。どちらの意味で使っているのかが伝わりにくいため、ビジネスの場では特に、意図する意味を補う一言を添えると誤解を防げる。単独で使うと、聞き手によって受け取り方が変わってしまう点に注意したい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「棚から牡丹餅」である。両者とも思いがけない幸運を表すことがある点では共通しているが、「犬も歩けば棒に当たる」が自ら行動した結果として幸運や災難に出会うことを表すのに対し、「棚から牡丹餅」は自分では何もしていないのに労せず幸運が転がり込んでくることを表す点で異なる。
⑦対義語
「犬も歩けば棒に当たる」の対義語としてよく挙げられるのが「触らぬ神に祟りなし」である。「犬も歩けば棒に当たる」が自ら動くことで思わぬ結果に出会うことを表すのに対し、「触らぬ神に祟りなし」は余計なことに関わらなければ災いを招かずに済むという、行動しないことを勧める言葉であり、行動への姿勢という観点で対照的である。
⑧一文〇×テスト
Q. 後輩を励ますつもりで「犬も歩けば棒に当たるから、どんどん新しいことに挑戦しよう」と声をかけた。この使い方は正しい?
正解は「〇」!
「犬も歩けば棒に当たる」は、現代では積極的に行動すれば思いがけない幸運に出会うこともあるという意味で使われることが多い。行動を促す励ましの言葉として使うのは自然な使い方である。
不正解…正解は「〇」
「犬も歩けば棒に当たる」は、現代では積極的に行動すれば思いがけない幸運に出会うこともあるという意味で使われることが多い。行動を促す励ましの言葉として使うのは自然な使い方である。
⑨まとめ
「犬も歩けば棒に当たる」は、行動すれば災難に遭うこともあれば、思わぬ幸運に出会うこともあるという二つの意味を持つことわざであり、いろはかるたの一句として広まった。現代では前向きな意味で使われることが多いが、文脈によっては戒めの意味にも読まれる。意図する意味が伝わるよう、言葉を補って使いたい。

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