①「人事を尽くして天命を待つ」の読み方・意味
「人事を尽くして天命を待つ」はじんじをつくしててんめいをまつと読む。人ができる限りの努力をすべてやり尽くしたら、あとは結果を天命に任せて見守るという意味である。
| 読み方 | じんじをつくしててんめいをまつ |
| 意味 | できる限りの努力をしたら、あとは結果を天命に任せるということ |
| 分類 | ことわざ |
②「人事を尽くして天命を待つ」の由来・出典
中国の胡寅が著した『読史管見』に由来するとされる。東晋の時代、異民族の侵攻に対して将軍・謝安がとれる限りの作戦をすべて実行し勝利を収めた。その全力を尽くした姿と、結果がどうであれ悔いはないという覚悟を見て、胡寅が「人事を尽くして天命に聴す」と評したことが由来といわれている。
③「人事を尽くして天命を待つ」の使用例(例文)
- 面接の自己PRで「準備できることはすべてやりました。人事を尽くして天命を待つ心境で本日は臨んでおります」と述べた。
- プレゼンの冒頭で「できる限りの検証を重ねてまいりました。あとは人事を尽くして天命を待つのみです」と切り出した。
- 友人とのLINEで「試験勉強はやりきったから、あとは人事を尽くして天命を待つだけ」とやり取りした。
④現場で見た「人事を尽くして天命を待つ」の使いどころ
以前、後輩から大きなプレゼンを控えた社内向けの決意表明メールを見てほしいと頼まれたことがある。不安な気持ちを長く書き連ねていたので、「準備を尽くしてきたなら、人事を尽くして天命を待つという言葉で締めくくると、前向きな覚悟が伝わる」と提案した。不安の表現を減らし、前向きな一文で結ぶ形に整えることができた。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
「人事を尽くして天命を待つ」は、十分な準備や努力を重ねたうえで結果を待つ場面にふさわしい、格式のある言葉である。準備が不十分な状態で使うと、覚悟のない開き直りのように聞こえてしまうことがあるため、実際に努力を尽くしたうえで使いたい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「果報は寝て待て」である。両者とも、やるべきことをしたうえで結果を焦らず待つ姿勢を表す点では共通しているが、「人事を尽くして天命を待つ」が全力を尽くした覚悟を強調する張り詰めた表現であるのに対し、「果報は寝て待て」は幸運の訪れを気長に待つ穏やかな表現である点に違いがある。
⑦対義語
「人事を尽くして天命を待つ」の対義語としてよく挙げられるのが「棚からぼた餅」である。「人事を尽くして天命を待つ」が努力を尽くしたうえでの結果を表すのに対し、「棚からぼた餅」は何の努力もせずに労せず幸運を得ることを表し、努力の有無という観点で対照的な言葉である。
⑧一文〇×テスト
Q. 特に準備をしていない状態で大事な商談に臨む前に「人事を尽くして天命を待つのみです」と余裕の表情で話した。この使い方は正しい?
正解は「×」!
「人事を尽くして天命を待つ」は、できる限りの努力を尽くしたうえで初めて使うのにふさわしい言葉である。準備が不十分な状態で使うと、覚悟のない開き直りのように聞こえてしまい、適切な使い方とはいえない。
不正解…正解は「×」
「人事を尽くして天命を待つ」は、できる限りの努力を尽くしたうえで初めて使うのにふさわしい言葉である。準備が不十分な状態で使うと、覚悟のない開き直りのように聞こえてしまい、適切な使い方とはいえない。
⑨まとめ
「人事を尽くして天命を待つ」は、できる限りの努力をしたら結果を天命に任せるという意味の言葉であり、中国の故事に由来するとされる。十分な準備を重ねたうえで使ってこそ意味が生きる言葉であり、準備不足のまま使うと開き直りに聞こえかねない点に注意したい。

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