①「立つ鳥跡を濁さず」の読み方・意味
「立つ鳥跡を濁さず」はたつとりあとをにごさずと読む。立ち去る者は、あとが見苦しくないように始末をしておくべきだという教えである。退き際の潔さを表す言葉としても使われる。
| 読み方 | たつとりあとをにごさず |
| 意味 | 立ち去る者は、あとが見苦しくないようにしておくべきだということ |
| 分類 | ことわざ |
②「立つ鳥跡を濁さず」の由来・出典
水鳥が飛び立ったあとの水面が、澄んだまま美しく保たれている様子に由来するとされる。安土桃山時代には「鷺は立ちての跡濁さぬ」という言い方もされていた。1600年ごろに成立したとされる日葡辞書にも「タツトリモアトヲニゴサヌ」という記述が見られ、古くから使われてきた表現であることがわかる。
③「立つ鳥跡を濁さず」の使用例(例文)
- 退職の挨拶で「立つ鳥跡を濁さずという言葉の通り、最後まで責任を持って引き継ぎを行いたいと思います」と述べた。
- 会議で「後任のために資料を整理しておくのは、立つ鳥跡を濁さずの心がけとして当然のことだ」と話があった。
- 日常の引っ越しの場面で「部屋を掃除してから出るのは立つ鳥跡を濁さずだからね」と友人と話した。
④現場で見た「立つ鳥跡を濁さず」の使いどころ
以前、同僚から異動が決まった後輩への引き継ぎ資料の依頼文を見てほしいと頼まれたことがある。事務的な指示だけが並んでいたので、「立つ鳥跡を濁さずという言葉を添えると、単なる指示ではなく、良い形で送り出したいという気持ちが伝わる」と提案した。文面に一言加えることで、後輩への配慮が感じられる依頼文になった。
⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点
「立つ鳥跡を濁さず」は、退職や異動の際に、引き継ぎや後始末を丁寧に行う姿勢を表す場面で使いやすい言葉である。自分自身の心がけとして使うのは自然だが、他人に対して「立つ鳥跡を濁さずにしてください」と一方的に求めると、説教じみた印象を与えることもあるため、言い方には配慮したい。
⑥類義語との違い
類義語としてよく挙げられるのが「有終の美」である。両者とも物事を最後まで立派にやり遂げることを表す点では共通しているが、「立つ鳥跡を濁さず」が去り際の後始末の丁寧さに重点があるのに対し、「有終の美」は物事の締めくくり全体を立派に飾ることを広く指す点で異なる。
⑦対義語
「立つ鳥跡を濁さず」の対義語としてよく挙げられるのが「後は野となれ山となれ」である。「立つ鳥跡を濁さず」が去ったあとのことまで気を配る姿勢を表すのに対し、「後は野となれ山となれ」は自分が去ったあとのことは知ったことではないという投げやりな姿勢を表し、去り際の責任感という観点で対照的な言葉である。
⑧一文〇×テスト
Q. 異動する後輩に対して「立つ鳥跡を濁さずにしてくださいね」と念を押すように何度も言った。この対応は適切?
正解は「×」!
「立つ鳥跡を濁さず」は自分自身の心がけとして使うのが自然な言葉であり、他人に一方的に求めるように何度も使うと説教じみた印象を与えかねない。この対応は配慮に欠けるといえる。
不正解…正解は「×」
「立つ鳥跡を濁さず」は自分自身の心がけとして使うのが自然な言葉であり、他人に一方的に求めるように何度も使うと説教じみた印象を与えかねない。この対応は配慮に欠けるといえる。
⑨まとめ
「立つ鳥跡を濁さず」は、立ち去る者はあとが見苦しくないようにしておくべきだという教えのことわざであり、水鳥が飛び立ったあとの水面の清らかさに由来するとされる。退職や異動の際の心がけとして使いやすいが、他人に一方的に求める使い方には配慮したい言葉である。

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