「桜梅桃李」の意味とは?それぞれの個性を尊ぶ由来と使い方

桜梅桃李

一言でいえば、桜梅桃李とは、桜、梅、桃、李がそれぞれ異なる時期にそれぞれの花を咲かせるように、人もまた他人と比べることなく、自分に与えられた個性や境遇を大切にしてそのまま生きていくのがよいということを表す四字熟語である。

目次

①「桜梅桃李」の読み方・意味

「桜梅桃李」の読み方はおうばいとうり。桜、梅、桃、李(すもも)がそれぞれ異なる時期にそれぞれの花を咲かせるように、人もまた他人と比べることなく、自分に与えられた個性や境遇を大切にしてそのまま生きていくのがよいということ。

読み方 おうばいとうり
意味 桜、梅、桃、李がそれぞれの花を咲かせるように、人もそれぞれの個性を大切にそのまま生きるのがよいということ。
分類 四字熟語(人生訓・仏教由来)

②「桜梅桃李」の由来・出典

日蓮の言葉をまとめたとされる書物『御義口伝』に「桜梅桃李の己己の当体を改めずして」という一節があり、これが言葉の由来のひとつとされる。桜は桜のまま、梅は梅のままで尊い存在であるという考え方から、それぞれが本来持つ個性を改める必要はないという教えを表す言葉として広まったとされる。古くは『古今著聞集』などにも桜梅桃李の花を並べて詠む表現が見られ、一説には季節の花々を並べる言い回しが元になったとする見方もある。

③「桜梅桃李」の使用例(例文)

  • SNSに、「人それぞれ得意分野は違う、桜梅桃李だ」という投稿をして、多くの共感を集めた。
  • 【日常会話】人と比べて落ち込んでいる友人に、桜梅桃李という言葉を教えたら少し表情が明るくなった。
  • 【卒業式・送辞】桜梅桃李という言葉があるように、皆さんもそれぞれの道でそれぞれの花を咲かせてください。

④現場で見た「桜梅桃李」の使いどころ

卒業生代表の送辞の下書きを見てほしいと頼まれたことがある。友人と自分を比べて落ち込んでいた様子が文面から伝わってきたので、桜梅桃李という言葉を紹介し、他人と同じ花を咲かせる必要はないという意味を添えてはどうかと助言した。書き直された原稿には、それぞれの個性を尊重する言葉として自然に組み込まれており、読んでいて温かい気持ちになった一件だった。

⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点

ビジネスの場では、個々の強みや働き方の違いを尊重するという文脈で使われることがある。チームメンバーの多様性を称える挨拶や、人材育成に関するスピーチとの相性がよい。ただし本来は仏教的な人生観に基づく言葉であるため、軽い比較や評価の場面で安易に使うと、言葉の重みとそぐわない印象を与えることがある点には注意したい。

⑥類義語との違い

桜梅桃李と近い響きを持つ言葉に「十人十色」がある。十人十色は人によって考え方や好みがそれぞれ違うという多様性を表す言葉で、個性の違いを認める点は桜梅桃李と共通する。ただし十人十色が単に「人それぞれ違う」という事実を述べる言葉であるのに対し、桜梅桃李にはそれぞれの個性をそのまま尊いものとして肯定する、より積極的な価値観が込められている点が異なる。

⑦対義語

桜梅桃李と対照的なニュアンスを持つ語として「優勝劣敗」が挙げられる。優勝劣敗は優れた者が勝ち残り劣った者が淘汰されるという競争原理を表す言葉で、それぞれの個性をそのまま尊重する桜梅桃李の考え方とは対照をなす。

⑧一文〇×テスト

Q. 後輩を励ますスピーチで「あなたも桜梅桃李、いつか周りに追いつけますよ」と使うのは、この言葉の意味に沿った正しい使い方である。



正解は「×」!

桜梅桃李は他人と比べて優劣を競うための言葉ではなく、それぞれが自分らしい個性のままで尊い存在だという意味である。「追いつく」という比較を前提にした励まし方は、この言葉が本来持つ価値観とはずれた誤用にあたる。

不正解…正解は「×」

桜梅桃李は他人と比べて優劣を競うための言葉ではなく、それぞれが自分らしい個性のままで尊い存在だという意味である。「追いつく」という比較を前提にした励まし方は、この言葉が本来持つ価値観とはずれた誤用にあたる。

⑨まとめ

桜梅桃李とは、桜や梅や桃や李がそれぞれの花を咲かせるように、人も他人と比べず自分らしい個性のまま生きるのがよいという意味の四字熟語である。由来には諸説があるが、大切なのはその意味を理解したうえで場面に応じて正しく使うことである。今回紹介した例文や注意点を参考に、日常やビジネスの場でも自信を持って使ってほしい。

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この記事を書いた人

ことばに関わる仕事を長く続け、友人や同僚から祝辞・弔辞やスピーチ原稿の相談を受けることもある。ことばの由来や正しい使い方を分かりやすく伝えることをモットーに、四字熟語・ことわざの記事を監修している。

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