初志貫徹の意味と由来とは?正しい使い方を例文で解説する

初志貫徹

一言でいえば、初志貫徹(しょしかんてつ)とは、最初に心に決めた志を、最後まで諦めずにやり通すことを表す四字熟語である。目標に向かって粘り強く努力し続ける姿勢を評価する言葉として、座右の銘にも好んで選ばれる。

目次

①「初志貫徹」の読み方・意味

しょしかんてつと読む。「初志」は初めに抱いた志、「貫徹」は最後までやり通すことを意味する。この二つが合わさり、最初に立てた目標や決意を、途中でくじけることなく最後までやり遂げるという意味を表す言葉となった。

読み方 しょしかんてつ
意味 最初に心に決めた志を、最後まで諦めずにやり通すこと
分類 意志・決意の強さを表す四字熟語

②「初志貫徹」の由来・出典

初志貫徹は、中国の故事や仏典など特定の出典に由来する言葉ではなく、「初志」と「貫徹」という二つの熟語を組み合わせて作られた四字熟語とされる。「初志」は最初に抱いた志、「貫徹」は目的や方針を最後までつらぬき通すことを意味し、この二語が結び付くことで、決意を曲げずにやり通すという意味を持つようになった。

特定の歴史的な逸話を持たない分、意味が直感的にとらえやすく、目標達成をたたえる言葉として、卒業式や新年の抱負、座右の銘など、幅広い場面で使われてきたとされる。

③「初志貫徹」の使用例(例文)

  • 卒業式の送辞で、「初志貫徹の精神を忘れずに、それぞれの道を歩んでください」と語った。
  • 日常会話で:「彼女は資格試験に3回落ちても諦めず、初志貫徹で合格を勝ち取った。」
  • ビジネスメールで:「厳しい状況ではございますが、初志貫徹の精神で、当初の目標達成に向けて取り組んでまいります。」

④現場で見た「初志貫徹」の使いどころ

以前、新規事業の方針転換を発表する社内向けメッセージの原稿を添削したことがある。原稿には「これからも初志貫徹で邁進してまいります」という一文があったが、内容自体は当初の計画を大きく見直し、新しい方針へ切り替えるという趣旨だった。初志貫徹は「最初の志を変えずにやり通す」ことを表す言葉であり、方針転換の場面で使うと文脈と矛盾してしまう。

そこで、「事業の根底にある思いは初志貫徹で守りながら、手段は柔軟に見直す」というように、変えない部分と変える部分を切り分けて伝える表現に直すよう助言した。初志貫徹は言葉の響きが良く使いたくなるが、実際の状況と一致しているかを確かめてから使うことの大切さを、あらためて感じた出来事だった。

⑤ビジネスシーンでの使い方・注意点

ビジネスの場では、長期目標や困難なプロジェクトに粘り強く取り組む姿勢を表す際に使われることが多い。「初志貫徹で目標達成を目指す」といった形で、決意表明や抱負を語る場面で好んで用いられる表現である。

注意したいのは、状況が大きく変わり、当初の方針そのものを見直す必要がある場面で使うと、意固地な印象や、変化に対応できていない印象を与えかねない点である。初志貫徹はあくまで「最初の志」を貫くことを評価する言葉であるため、目的そのものが変わった場合は、別の表現を選ぶ方が実態に即している。

⑥類義語との違い

類義語には首尾一貫(しゅびいっかん)がある。物事の始めから終わりまで、態度や方針が変わらないことを意味する言葉で、一貫性そのものに重点があるのに対し、初志貫徹は「最初に立てた志」を最後までやり通すという、目標達成への意志の強さに重点を置く点が異なる。

⑦対義語

対義語としては三日坊主(みっかぼうず)が挙げられる。物事に飽きっぽく、決意しても長続きしないことを意味する言葉で、最後までやり通す初志貫徹とは正反対に、途中で投げ出してしまう様子を表している。

⑧一文〇×テスト

Q. 当初の事業計画を大きく見直し、方針そのものを転換する場面で、「これからも初志貫徹で邁進してまいります」と挨拶するのは、文脈に合った正しい使い方である。



正解は「×」!

初志貫徹は「最初に立てた志を変えずにやり通す」ことを表す言葉である。方針そのものを大きく見直す場面で使うと、実際の行動と言葉の意味が矛盾してしまう。方針転換を伝えたい場合は、変えない部分と変える部分を切り分けて説明する方が誤解を招かない。

不正解…正解は「×」

初志貫徹は「最初に立てた志を変えずにやり通す」ことを表す言葉である。方針そのものを大きく見直す場面で使うと、実際の行動と言葉の意味が矛盾してしまう。方針転換を伝えたい場合は、変えない部分と変える部分を切り分けて説明する方が誤解を招かない。

⑨まとめ

初志貫徹は、最初に心に決めた志を最後まで諦めずにやり通すことを表す四字熟語であり、「初志」と「貫徹」を組み合わせた言葉とされる。決意表明や抱負を語る場面で好まれる一方、方針そのものを転換する場面には向かない。使う場面が言葉の意味と合っているかを見極めたうえで使いたい表現である。

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この記事を書いた人

ことばに関わる仕事を長く続け、友人や同僚から祝辞・弔辞やスピーチ原稿の相談を受けることもある。ことばの由来や正しい使い方を分かりやすく伝えることをモットーに、四字熟語・ことわざの記事を監修している。

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